温もりのあるサービスがあるなら、チップ制度も悪くない

皆さんこんにちは。

今日はなんとなくチップ制度について適当に語りたいと思います。

 

正直私はメキシコに来てから「なんだこのサービスの質は!?」と悪い意味でびっくりすることがよくあります。

 

例えば、、

スーパーのレジ横にいて袋詰めをしてくれる人が、順番を考えずに適当に物を袋に詰めて買い物袋がいびつな形になったり。。卵などの壊れやすいものも平気で一番下に入れたり。。

「いやー、絶対私が入れた方が早いし、綺麗に入れられるじゃん!!」と思いますね!(すごく綺麗に袋詰めしてくれる人も中にはいますけれど。)

また、レストランの店員さんの対応も遅かったり、頼み事をしても忘れていたり。。

 

こんな風に「やっぱり日本と比べるとメキシコの店員さんってあまり気が利かないなー」とサービスに満足していないことが多い私ですが、いつも少しだけチップを置くようにはしています。

 

勿論いくらメキシコがチップ社会だからといって良いサービスだと思わなければチップを渡す必要はないのでしょうが、なんだかどんな質の対応に対しても「対応してくれた」という事実に対してチップを渡さなければいけないという義務を感じてしまうのですよね。。しかも、チップを渡さないとまるで私が悪いみたいに思われてしまいそうですし。

 

でも、この間初めて「ああ、この人にはチップ渡したいな!」と心の底から思えて、意欲的にチップを渡すことがありました。

 

それはメキシコシティーの宿を利用したときのこと。メキシコシティーには飛行機の乗り換えで立ち寄ったのですが、あまりにも次の便までの待ち時間が長かったのでこじんまりとした宿で休むことにしたのです。

その時に私の対応をしてくれたのは20代後半~30代前半くらいのメキシコ人男性。どうやらこのビジネスを少し前に始めたとのこと。

 

私はこのメキシコ人男性の対応がかなり気に入りました。典型的なおしゃべりメキシコ人とは違い、控えめな感じで余計なことは聞いてこないし、言ってこないタイプの人でした。でも、別にお客さんに無関心というわけではなく、相手のニーズに合わせているという感じで実はとても気の利く人だったのです!

 

その宿は空港近辺の高層ホテルとは違い、一泊500ペソほどの個人経営の安めの宿だったのであまり期待はしていなかったのですが、そのメキシコ人男性はあらかじめ私の飛行機の到着時間を聞いてきて、私が空港に到着したとメッセージを送るとすぐさま車で迎えに来てくれました。

 

また、彼の配慮は宿の部屋でもちらほら見えました。建物と部屋自体は新しくはありませんでしたが掃除は行き届いていて、タオルも洗剤のいい匂いで、映画も見放題のテレビがあり、その横には軽食としてフルーツやシリアルバー、コーヒーなどもありました。

乗継便の時間も気にしてくれ、指定した時間の10分前には送迎の準備を済ませており、スムーズに空港まで送り届けてくれるという素晴らしい対応!

もし、私が初めて知り合ったメキシコ人がこの人だったら、「メキシコ人=時間にルーズ」というのは嘘だ!!と思ったことでしょう。

 

実は、この宿を利用する前の数日間、私はメキシコのサービスの質の悪さにうんざりしていました(特に疲れている時期だったので余計質の悪さが気になってしまいました)。詳しいことは書きませんが航空会社や銀行での対応に結構イライラしていましたし、悲しかったですね。

なんというか本当にお金の為だけに働いていて、お客さん(私)が困っていても関係ないという感じの態度に見えてしまいました。

まあ、確かにお金のために働いているというのはその通りなのですが、、向上心がなく、相手の立場も考えない超事務的な対応。。

私が気にしすぎなんですかね?

 

とにかくそういう嫌な対応を受けた後だったので、余計に宿のメキシコ人のサービスには感動しました。

そのメキシコ人を見ているとお金をとることだけを目的とせず、お客さんの為に何をすればいいか?ということを真剣に考えているのが伝わってきました。温もりのあるサービスっていうんですかね。

彼のそんな真摯な姿を見ていて「あ、この人にチップ渡したい。感謝の気持ちを表したい」と素直に思えたのです(私が言うのも偉そうですが)。

 

で、空港まで送り届けてもらってさよならを言うタイミングでチップを渡すことにしました(しかも、ちょっと多め)

「喜んでくれるかなー!」と若干ドキドキしながらチップを渡してみましたが(※といっても彼が私のタイプという訳ではありません)、彼の返事は

 

 

「NO!NO!!!」

 

え?

 

チップを渡されることを予想していなかったのか、少し多めの額だったせいかは分かりませんが、ビックリした様子で全力で受取りを拒否されました!!

 

その反応で彼がお金の為だけ(チップの為)に私に色々気を使ってくれた訳ではないことを知り、余計チップを渡したくなったので

「Si!!Si!!」スペイン語で`Yes`)

ととっさに言い返しチップをもう一度差し出しました!!(近くにいたタクシー運転手のおじさんが不思議そうに私たちのやり取りを見てましたよ。)

 

結局彼は遠慮がちに、でも笑顔で「Gracias」とお礼を言って受け取ってくれました!

チップを拒否するメキシコ人を見たのはあれが初めてでしたね。やたら話しかけてきて、押しつけがましくサービスを提供してチップを求めてくるメキシコ人達には彼の対応を見習って欲しいものです。

 

ちなみにこの宿を利用した他の国の人達の感想をネットでよくよく見てみると、やはり皆良いコメントを残していました!納得!

それぞれ文化は違っても、「良いサービス」の定義に国境はないのかもしれませんね!

 

それから、この件の後は「こういう温もりのある気の利いたサービスを提供してくれる人がいる限り、感謝の気持ちを目に見える形で表すという意味でチップを渡すというのは悪くないな」と思えるようになりました。

 

義務的にではなくて、意欲的にチップを渡せる機会が増えるといいな!

 

では、また!